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『白い巨塔』とは?
山崎豊子の小説
『白い巨塔』とは山崎豊子の長編小説です。
山崎豊子(1924-2013)といえば数多くの社会派小説を執筆し、その多くがドラマや映画化されていますね。
この『白い巨塔』も1963年から1965年までに『サンデー毎日』に掲載され、反響が大きかったため、1967年ー1968年に続編として再度連載された作品です。
あらすじは?
主人公の財前五郎は食道がんの専門医であり、卓越した技量と実績から若くしてこの道の権威として知られています。
しかし、その一方で大変な野心家でもあり、ゆくゆくは勤務先である国立浪速大学の教授の座に上りつめることを狙っています。
よくある病院ドラマというと、スーパードクターもしくは、患者との心温まる交流などがドラマ化されていることが多いように感じますが、この『白い巨塔』はそういう意味からいうと異色の存在です。
一言でまとめてしまうと、企業の派閥争いを大学病院の医局内で行なっているドラマです。
局内で上り詰めるために、誰につくか、蹴落とすか、裏切りや、利用といった、病院という人の命を救う最も神聖な場所で、実はそういった腐敗した部分に焦点をあてた山崎豊子らしい社会派ドラマなわけです。
個性的な登場人物たちと絡みながらストーリーは進んでいきます。
財前五郎は教授の席を手に入れられるのでしょうか?
過去何回もドラマ化されている
実はこの小説、過去に1回映画化、そして5回ドラマ化されています。今回のドラマでなんと6回目となるわけです。
時代はたってもそれだけ、人々を魅了するストーリーということですね。
歴代の『財前五郎』は誰が演じたのか?
過去5回ドラマ化されているわけですが、その時代時代で話題となる『白い巨塔』。
主人公の財前五郎を誰が演じてきたのか調べてみました。
田宮二郎といえばミスター財前五郎
ミスター財前五郎といえばこの人。
映画とドラマで2回、財前五郎を演じています。
私まだ小学生になるかならないかだったのですが、親がおそらく視聴していた田宮二郎の『白い巨塔』おぼえているんですよね。
もしかしたら再放送だったのかもしれませんが…
しかし残念なことに本当にハマり役立った田宮二郎氏、ドラマ『白い巨塔』がラスト2話という放送中(撮影は終了)に散弾銃で自殺を遂げています。鬱病が原因といわれています。
ドラマ中の財前五郎の壮絶な人生と、田宮二郎のドラマ終了前の自殺が重なり、その当時かなり人々に衝撃と同時に、記憶に残ったようです。
ちなみに数年前に浅野ゆう子さんと交際されて脳溢血で若くして亡くなられた田宮五郎氏は田宮二郎氏の息子(次男)です。
お父様に似た甘いマスクと力強い眼差しで将来を期待されていた俳優さんだっただけにとても残念です。
佐藤慶が演じた財前五郎は一味違った
昭和の名俳優だった佐藤慶は1967年『白い巨塔』の初ドラマで財前五郎を演じています。
映画で田宮二郎演じた財前五郎の『白い巨塔』の翌年のドラマということでか、イメージを脱『田宮二郎』としたのでしょうか?
彼の演じた財前五郎は野心家という面よりは、暗くねじれた個性を際立たせ、どちらかというと悪役といったイメージで役を作り上げました。
それはそれで評価され、佐藤慶の代表作となっています。
晩年は仕事もセーブし、2010年に81歳で亡くなられています。
村上弘明も演じていた
本日、息子と出演してきました。
オンエア情報は、決まり次第お知らせします。お楽しみに pic.twitter.com/oqu84lWSNY— 村上弘明 (@HiroakiM_1222) February 20, 2018
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185cmの長身で甘いマスクの村上弘明も財前五郎を演じています。
ただ、このドラマ1990年にテレビ朝日系列で特別ドラマとして2日間のみ放送されたので、あまり知られていないんですよ。
優しい雰囲気の村上弘明が野心家の財前五郎をどう演じたのが非常に興味があります。
動画サイトで視聴できるようにしてくれるといいですね。
唐沢寿明の財前五郎は山崎豊子も感動させた
私たちの記憶に新しいのが唐沢寿明演じる財前五郎の『白い巨塔』ではないでしょうか?
このドラマは2003年にフジテレビで全21回で放送されています。
当初、唐沢寿明が財前五郎を演じることに山崎豊子はイメージと合わないということで難色を示していたそうです。
こんなエピソードも残されています。
唐沢寿明とプロデューサーと3人の会食時に「財前役をやるなんていい度胸してるわね。あなた大丈夫?」とまで言っていたそうですが、次第にうちとけ「あなた面白い男だね」と唐沢の財前のキャスティングを最終的には承諾。
そして実際に出来上がったドラマをみて「素晴らしかったです。あなたが財前で良かった。感動しました。」と評価したそうです。
私も実際に視聴していましたが、素晴らしかったです。
そして周りを固める俳優陣の豪華なこと。
このドラマ最終回は視聴率32.1%をマークし、田宮二郎主演の1978年版の記録を更新しています。
2019ドラマ『白い巨塔』の主要キャストは?
大ヒットを記録した唐沢寿明主演版から16年。2019年に放送される『白い巨塔』はどんな俳優がキャスティングされているのでしょうか?
財前五郎(ざいぜん・ごろう)岡田准一
岡田准一の財前へのキャスティングは歴代の『白い巨塔』でもそうだったように賛否両論あるようですね。私は彼ののファンではないのですが、個人的にはかなり期待していいのではないかと思っています。
というのも、百田尚樹の『永遠のゼロ』が映画化される時に、岡田准一は原作の主人公とイメージが違うといったコメントをかなりネット上でみました。
でも実際に映画が封切られてみるとそんな批判を一掃するほど彼の演技が素晴らしかったのです。
今回も岡田准一らしい財前五郎をみせてくれるのではないかと期待しています。
里見脩二(さとみ・しゅうじ)松山ケンイチ
財前の同期でライバルであり、彼とは正反対で出世への野心はなく心から医師としての正義を貫こうとする人。
財前とは時にぶつかり合うこともありましたが、最終的に一番信頼されていた友人であり医師でもあります。
過去にはこんな俳優陣がキャスティングされています。
2003年(唐沢寿明主演):江口洋介
1990年(村上弘明主演):平田満
1978年(田宮二郎主演):山本學
1967年(佐藤慶):根上淳
2003年(唐沢寿明主演)版では、里見が財前を看取ります。そして最後は里見宛の遺書が読まれるというラスト。
今回のドラマでは里見がどんな風に描かれるのかも注目です。
https://www.instagram.com/p/Bu8c6HhH5Dn/?utm_source=ig_web_copy_link
花森ケイ子(はなもり・けいこ) 沢尻エリカ
財前の愛人。バー「ラディゲ」のホステス。
過去、医師を目指し医学部に入学するも、中退。
財前を心から愛し、陰ながらサポートする。
2003年(唐沢寿明主演):黒木瞳
1990年(村上弘明主演):池上季実子
1978年(田宮二郎主演):太一喜和子
1967年(佐藤慶):寺田史
https://www.instagram.com/p/Bu-_pqBH3BZ/?utm_source=ig_web_copy_link
東貞蔵(あずま・ていぞう) 寺尾聰
財前の師。
教授職を定年する前に財前を教授にと考えていたが、財前の自分のことを試みない行動に腹を立て、しまいには確執が生じる。
https://www.instagram.com/p/BvB6cRaH0fw/
『財前五郎』のモデルとなった実在する医師がいる?
財前五郎はもちろん実在の人物ではありませんが、多くの山崎豊子の作品がそうであるように、モデルとされる実在する人物もいます。
そのモデルの一人と言われているのが千葉大学第二外科教授の中山恒明氏(なかやま・こうめい)1910年9月25日生 – 2005年6月20日没です。
中山氏は千葉医科大学を卒業後、外科医として独自の食道手術法を確立するなど、権威として知られていました。
当時、千葉医大の教授職は東大医学部出身で占められていました。そんな中で、中山氏は東大医学部派閥の圧力や嫌がらせ、などさまざまな困難を乗り越えて36歳で第二外科教授となっています。
ドラマでは道半ばとなってしまいましたが、確かに財前五郎の境遇に似ていますね。
でも人柄は財前のような野心的な感じではなく過去、長谷川町子を執刀した際のほのぼのとしたエピソードも残されています。
『財前五郎』の名前の由来は?
山崎豊子と親しかった大映京都撮影所の企画部員 財前定生が、次期作の構想を聞き、自分の苗字と当時人気俳優だった「田宮二郎」の本名「柴田吾郎」からとり、『財前五郎』としてもらったそうですよ。
このエピソードちょっとびっくりですね。
モデルとなった病院はある?
モデルとなったのは大阪大学医学部のようですね。
ドラマ白い巨塔の放送日は?
放送局:テレビ朝日
放送日:2019年5月22日〜26日の5夜連続
放送時間:9:00〜
公式サイトはここ
まとめ
山崎豊子の代表作でもある『白い巨塔』なんどもドラマ化されてはいますが、主演俳優やまわりの俳優陣によって全然違います。
今回は5夜連続ということで、かなり細かい部分まで演出されて見応えがありそうです。
最近、アイドルの域を超えて俳優としても地位を得ている岡田准一の財前五郎楽しみですね。
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